(前回の投稿からの続き)
「構成主義」の良いところは、学習者が主体的に考え、観察し、経験するのを重視することですが、「社会的構成主義」も同じ長所を持っています。
違いは、「社会的構成主義」の場合には、学習者がひとりで考えるのではなく、「みんなで考える」ということです。
人間の高度な能力は、社会的な活動の中で発達するという考えが根底にあり、教育においても、他者との交流の中で最もよく発達するという考えです。
したがって、協働学習とかグループワークといった形式で学習を進めていきます。
学習者はお互いの知識や視点や考え方を交換することによって新しい認識を得ることができます。
僕がかかわってきた職業訓練や企業研修のいずれも、カリキュラムの最後は「プロジェクト型演習」で締めくくっていますが、複数の学習者が協働して実技的な演習をするので、社会的構成主義の考えに合致しています。
この学習方法はとても強力で効果も高いと言われていますが、基礎的な知識はすでに身についていることを前提に、さらに高度な能力や応用力を育成する場合にはとても効果的と思われます。
最近では世界的にも普及していて、米国では、構成主義と社会的構成主義の授業だけで単位が取れて卒業できる大学があると聞きました。
とりわけユニークで注目されているのは「反転授業」です。これは、講義を収録したYouTube動画などを事前に自宅で学習させ、教室ではそれをネタにして演習問題やグループワークをやらせるという指導方法です。講義は教室ではなく自宅で聴くというスタイルがこれまでとは反転しているので「反転授業」というわけです。米国の一部の高校や大学で始まっています。
日本を含むアジア諸国では、伝統的に教育者と学習者の関係が「師匠と弟子」のような概念になりやすいので、普及が遅れているという分析もあります。
(次回の投稿に続く)
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