受講者が「壁にぶち当たった」と思ってしまうパターンとして、階段の各段の順番がデコボコになっていてなだらかではないパターンもあり得ます。

この場合には、壁のように見えている「高過ぎる一段」を分割するのではなく、単純に順番を入れ替えるだけで済むでしょう。

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受講者が「壁にぶち当たった」と思ってしまうパターンとして、階段の各段の順番がデコボコになっていてなだらかではないパターンもあり得ます。

この場合には、壁のように見えている「高過ぎる一段」を分割するのではなく、単純に順番を入れ替えるだけで済むでしょう。

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以下は、Facebookに2016年2月1日付で投稿した文章の全文です。 講師をやっているといろんな人から感想を言われるが、過去に何回かあったのは、講師をやっている時と普段の布施さんは印象が違うといったたぐいのことである。 「講師をやっている時は声の高さが1オクターブぐらい高くなってる」と言われたこともある。 どうやら講師をやっている時の僕は本当の姿ではなくて、無理して仮面をかぶっていると思われるらしい。 確かに僕の場合は、受講者の前で仕事を始める時には講師モードのスイッチを入れて、心のありかたを切り替える。 しかしそれは、講師の目的を思い出して、その時間はすべて受講者のために捧げる覚悟を決めるためであって、自分以外の誰かになるためではない。それ以外の時間は自分のため、家族のためなど他の目的のために使うから講師モードのスイッチを外す必要があるだけだ。 人間は1日に24時間、1年間に365日を受講者のために捧げることはできない。 受講者の前で仕事をする時には全力でその仕事に立ち向かうだけで、それがニセモノの自分だとは思わない。 やりたいことをやるし、やりたくないことはやらない。無理をしているわけでもない。 普段の自分と同じだが、目的が違うだけなのさ。 そして、どちらもホンモノの自分なのである。 講師が仮面をかぶるだけで受講者がスキルを身につけるはずがないし、結果が出るはずもない。 講師の仕事とはそんなに甘いものではないのであります。 [追記:ついでに言っておくと、講師モードに心を切り替えることはその気になれば誰にでもできるはずです。才能とか能力とかノウハウなど不要ですから。 一度、そのような心の態勢ができたら、目つきも雰囲気も変わってくると思います。] ©2016 布施あづさ
自分の講師スキルを高める方法について現時点で考えていることを書きます。これは、私自身が現場で試行錯誤してきた中で、いちばん腑に落ちたやり方を整理した、あくまで個人的な経験談です。 私も新米講師のころは、それをテーマにした本を読んでみたり、学問の世界を覗いてさまざまな教育メソッドを勉強したり、他の講師のマネをしたりがありました。上記のような方法に意味がなかったとは言いませんが(一定の効果はあると思います)、経験を重ねた今ではもっぱら別の方法を選択しています。最も効率的で効果的で、やっていて楽しくてスリルがあって学んで得たことは一生忘れないような方法があるのです。 一言で言えば、「講師スキルは受講者から学ぶ」ということです。具体的にどうするのかを書きます。 現場で講師の仕事をしていて問題に直面した時には、以下の手順を実行するのです。 1.受講者をよく観察する 講義を十分に理解しているのか、いないのか、受講者の受講態度や表情、受講者の発言や質問、演習問題のでき具合、テストの結果などを注意深く観察します。 2.受講者とコミュニケートする 研修時間中でも休み時間でもかまいませんが、機会があれば受講者に話しかけて、さりげなく理解の度合いや研修内容への感想などを引き出します。 3.情報を分析する 観察とコミュニケーションから得た受講者からのフィードバックを整理して、問題の原因を分析します。 4.仮説を立てる 分析の結果を基に、問題を解決するための仮の対策を考えます。 5.仮説を検証する 自分で立てた仮説としての対策案を実際に現場で実行し、その結果から仮説の有効性を判断します。仮説の実行が必ず成功するとは限りません。効果が見えないこともあるでしょう。しかし、期待通りの結果を得てうまくいくこともあります。その時の喜びはとても大きくて、一生忘れないぐらいの強い印象を残します。それこそが本当の講師スキルを身につけた瞬間だと思います。人間は自分が何かを創り上げることや発見することに喜びと楽しさを感じる生き物ではないでしょうか。ましてや、技術者であればなおさら、自分の仕事の問題は自分の頭で解決することに誇りを感じて、それができた時には仕事が楽しくなるはずです。私が今までに身につけたと思っている独自の講師スキルはほとんど上記のような実践の結果にすぎません。 copyright: all rights reserved 2024
某勉強会での発表で使用した自作の資料です。 「Input/Outputの原則」 @2018 all rights reserved
過去12年間の講師業の経験によって得た自分の講師スキルを総括すると、現時点では以下の4つの原理原則にまとめられるように感じています。 1.段階に沿って指導する これについては、当サイトの記事の「受講者が壁にぶち当たった?」、「受講者が壁にぶち当たった?(その2)」を参照してください。 2.言葉の定義を明確にする これについては、当サイトの記事の「トンチンカンな質問」を参照してください。 3.イラストなどの視覚表現を利用する 言葉による説明だけでは、コンセプトが十分に伝わらないことがあります。その場合には、イラスト、図、表、プログラムリストなどを利用することがあります。たとえば、当サイトの記事の「受講者が壁にぶち当たった?」と「受講者が壁にぶち当たった?(その2)」ではいたって簡潔なイラストを使っていますが、もしそれらのイラストがなくて言葉による説明だけだったら、そのコンセプトが直感的に正確に伝わったでしょうか? 4.情報のインプットとアウトプットを交互に繰り返して両者のバランスを取る これについては、当サイトの記事の「INPUT/OUTPUTの原則」を参照してください。 研修現場では上記の4つの原理原則に基づいて指導するのですが、具体的な対処法や行動はその時の会場の状況によって千差万別です。受講者の顔ぶれ、人数、知識と経験のレベル、性格、価値観、講座の内容とそれによって起こるトラブルなど、あらかじめ研修前にすべてを想定して対策を考えておくことはできません。常に変わらない固定した方針やパターンもありますが、その時の状況に合わせて上記の原則を適切に応用して臨機応変に対処するしかないことの方が多いです。その応用の仕方も含めて私の講師スキルなのでしょう。それは誰から教わったわけでもなく、経験の積み重ねでしかありません。 しかし、講師の仕事の本質は、ハンバーガーショップでハンバーガーを作るのとは異なります。講師が人間を相手にしている限り、知識や講師スキルだけでは伝えることのできない部分があることも意識しています。 ©2022 all rights reserved